赤坂・高級個室サウナで起きた火災により、30代の夫婦が命を落とすという痛ましい事故が発生しました。
報道が広がるにつれ、
「なぜ火災が起きたのか」
といった疑問を持つ声が多いようです。
調べが進んでいく中で浮かび上がってきたのが、「ドアノブが外れていた」といった、通常では考えにくい設備上の異変。
そこで今回は、事故当日の状況を時系列で整理しながら、現場で確認された3つの異変と、届かなかったSOSの背景について解説していきます。
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赤坂サウナのドアノブが外れていたのはなぜ？
異常があったのは1室だけではなかった
今回の火災で大きな注目を集めたのが、サウナ室のドアノブが外れていたという点。
現時点では、ドアノブが外れた明確な原因について、警察や関係機関から公式な発表は出ていません。
ただ、複数の部屋でガタつきが確認されていたことや、使用されていた素材、日常点検の状況などを踏まえると、単一の理由ではなく、いくつかの要因が重なっていた可能性も考えられます。
しかも、この問題は火災が発生した1室だけに限られていなかったことが分かっています。
ドアノブが外れたタイミングとしては、サウナを利用したお二人が外に出ようとした際に、ドアノブに異変が生じた可能性が考えられます。
なぜドアノブだったのか
サウナ室の扉に使われていたのは、木製の取っ手でした。
見た目には高級感がありますが、耐久性や経年劣化への強さという点では不安が残る素材でもあります。
また、多くのサウナでは扉にドアノブはなく、
サウナ室に入る時：扉を引く
サウナ室から出る時：扉を押す
このようなタイプで、ドアノブが付いているのはあまり聞いたことがないとの声もありました。
報道によると、火災発生時には取っ手の内側と外側の両方が外れていたとされており、単なるネジの緩みでは説明しきれない状況だったとのこと。
設計や取り付け方法そのものに問題があった可能性も否定できません。
構造上の問題とメンテナンスの疑い
こうした状態が見過ごされていた背景には、日常的な点検やメンテナンス体制の甘さがあったと考えられます。
仮に
・ドアノブの定期点検
・ガタつきが出た際の即時対応
・使用素材の安全基準の明確化
といった基本的な確認が行われていれば、今回のような火災を防げた可能性もあったのかもしれません。
閉鎖空間である個室サウナでは、設備の小さな不具合が命に直結します。
その認識が十分だったのか、問われているようにも感じられます。
赤坂サウナの火災直前に起きた3つの異変
現時点で明らかになっている情報を整理すると、事故当時の流れは次のような順序だった可能性があります。
- ドアノブが外れ、サウナ室内に閉じ込められた
- 非常ボタンを押して助けを求めたが、警報は作動しなかった
- 外に異常を知らせるため、サウナストーンを使ってガラスを割ろうとした
- その過程でタオルに火が移り、火災が発生した
以下では、それぞれの段階で何が起きていたのかを見ていきます。
ドアノブの脱落で閉じ込められた可能性
火災発生時、亡くなった夫婦はサウナ室の出入口付近で倒れていたと報告されています。
この位置関係から、外に出ようとしたものの、脱出できなかった状況だった可能性がうかがえます。
ニュースなどで状況が説明されている通り、ドアノブが外れ取っ手がなければ、内側から扉を開けるのは容易ではありません。
非常ボタンを押しても反応しなかった
閉じ込められた2人が助けを求めるために押したとされるのが、室内に設置された非常ボタンでした。
実際に、非常ボタンのカバーが壊れており、押そうとした形跡が残っていたと報じられています。
しかし、警報は鳴らなかったとのこと。
出口が開かず、助けを呼ぶ手段も使えなかったという状況は、想像を絶するものがあります。
ストーンでドア破壊を試みた形跡
さらに、サウナストーンをタオルで包み、ドアガラスを割ろうとしたと見られる痕跡も確認されています。
通常であれば考えにくい行動ですが、非常ボタンも使えず、外に異常を知らせる手段が他になかったとすれば、必死の選択だったとも受け取れます。
この行動からも、2人が最後まで助けを求めようとしていたことがうかがえます。
赤坂サウナの施設側の対応と設備の問題
受信機の電源が入っていなかった理由
非常ボタンが作動しなかった原因として判明したのが、事務室に設置されていた受信機の電源が切れたままだったという事実。
オーナーは「これまで一度も電源を入れたことがなかった」と説明しており、開業以来、非常ボタンが機能していなかった可能性も指摘されています。
これは単なる操作ミスではなく、管理体制そのものが問われる点と言えるでしょう。
事務室にスタッフが不在だった当日の状況
火災当日、施設内には複数のスタッフがいたとされていますが、非常受信盤が置かれていた事務室には誰もいなかったことが分かっています。
仮に電源が入っていたとしても、異常に対しすぐ対応できる体制ではなかった可能性があります。
個室サウナのような環境では、異常の検知と即時対応がセットで機能しなければ意味を持ちません。
非常設備が使えないままだった背景
非常設備が機能していなかった背景には、
- 受信盤の電源確認が業務に含まれていなかった
- 非常設備が形だけの存在になっていた
- スタッフへの安全教育が不十分だった
といった複数の問題が重なっていたと見られています。
その結果、本来なら救えたかもしれない命が失われた可能性も否定できません。
まとめ
今回の火災は、偶然が重なった事故というより、複数の設備不備と管理の甘さが連鎖して起きた出来事だったように映ります。
・ドアノブの不具合
・非常ボタンの不作動
・通報システムの停止
・即時対応できない体制
どれか一つでも改善されていれば、結果は違っていたかもしれません。
今回の一件で、快適さや非日常性だけでなく、安全性をどう確保するのかが、改めて問われています。
今後の調査や再発防止策の行方を、冷静に見守っていきたいところです。
